避難所運営委員会

◆ 避難所責任者とは? (2017.11.23更新)

一般に、避難所施設として小中学校が、指定されています。また、避難所は、市区町村長の命令で設置されます。よって、避難所には、実は3名の責任者が存在することになります

   ● 避難所責任者=市区町村長から指名された職員。避難所の開設・運営の管理を行います。
   ● 施設責任者=学校長またはその代理者。
   ● 避難所運営委員会委員長=避難住民の代表。避難住民の管理と住環境の整備・清掃等を行います。


◆◆ 避難所責任者

市区町村長から指名された職員で、通常避難所毎に指名されています。
「避難所責任者」が被災し到着が遅れる場合には、「初動要員リーダー」が避難所責任者になるのが適切と思われます。

避難所責任者の主な任務は、下記の通りです。

   ● 初動要員から避難所の開設状況を確認し、災害対策本部(以下、「災対本部」と言う)へ(無線)報告します。
   ● 避難所運営組織の立ち上げ状況を確認し、組織化を図る
   ● 避難者数・状況を確認し、食糧等の不足品及び追加依頼事項(例:通訳派遣の依頼、重症者の搬送依頼等)をまとめ、災対本部へ
     報告します。
   ● 避難所運営委員会の運営支援を行います。
     この場合、「運営委員会副委員長」になるのが、運営上良いと思われます。


◆◆ 施設責任者

学校施設は、教育委員会の管轄下に有り、施設責任者は「学校長」です。よって

   ● 学校施設(教室等)を避難所として使用する場合は、学校長の許可が必要です。
   ● 避難所運営委員会の「防火担当」は、「学校の防火責任者」が担当するのが適切です。

問題は、発災時学校長(または学校長代理者)及び防火担当者が早期に学校に到着出来るか?です。都心部周辺の教職員の多数は、遠距離通勤している場合が多いからです。


◆◆ 避難所運営員会委員長

避難所運営委員会委員長は、避難住民から選出されたり自発的に活動中に自然就任した「住民代表」です。
この委員長も、かなり気苦労の多い仕事だと思います。

上段でも説明しましたが、行政側の災対本部との連絡は「避難所責任者」が行い、避難所施設の使用方法の変更等は「施設長(代理)」の許可を受けなければなりません。それぞれ上司に連絡がつけば良いですが、かなり困難だと思われますし、また適切な判断が返るか疑問も残ります。それらは、運営委員会委員長が調整しなければなりません。

阪神・淡路大震災での避難所運営委員長の類型による避難所の運営携行調査の結果が、有ります。結論から言えば、「委員長にリーダー的仕事の経験が有る方の場合は、避難所でのトラブルは少なく、本部運営も上手く行っている」と言う事です。私の考えは、初動期は皆どうして良いか分からないので、必ずしも議論を100%しなくても積極的な行動を取れる方が良いのではと思います(民主的独裁型に近いやり方)。

● 類型1=避難所業務を支援中に、委員長に自然就任
  班分け=8日以上要した。
  トラブル傾向=運営本部の形成が遅れ、「食糧・物資の配分トラブル」多発。
● 類型2=自発的型で選出され、委員長に就任
  班分け=3~7日要した。
  トラブル傾向=トラブルは目立たないが、避難者の運営本部での役割分担が不明
● 類型3=仕事上、リーダー経験ありで、委員長に選出された。
  班分け=1~2日要した。
  トラブル傾向=運営本部の労力は公平で、「食糧・物資の配給トラブル」が少ない。

◆ 避難所運営員会の構成と機能  (2017.11.23更新)

避難所運営委員会は、次のような構成が適切と思われます。委員の定数は、初動期から展開期・安定期へと移るに従い変更するのが適切です。避難者は、発災直後に避難所に来る事は通常出来ませんので、時間の経過と共に増加します。また運営委員を受けて下さる方も、当初は非常に少ないと想定されます。

運営委員会の構成は、当然避難所運営に必要と思われる機能(日常生活全般の支援)を実現するためのものですから、かなりの種類・人数の委員を必要とします。委員数を考える場合、次の事を考慮する必要が有ります。

● 役割機能の数
● 夜間対応者の数 ※避難所の役員対応は、余震及び避難者の病状急変等の発生を考慮し24時間体制で当たる必要が有ります。
● 男女の数 ※女性の方の意見を取入れるために出来るだけ同数とします。
● 役員の帰宅による減少

ここでは、目安の定数を示します。避難所開設初期は役員受諾者が少人数のため、役職を兼務する形を取らざるを得ません。また、ここに示した役職名称は、機能を表す事例です。

初動期 避難所運営委員会の構成

■ 避難所運営委員長  1名   避難住民から選出
■ 避難所運営副委員長 3名以上 避難所責任者及び施設責任者を含める事。
                 避難住民からは交代要員を含め男女2名以上とする。

■ 防火管理責任者   1名   (東京都は、学校の防火管理者を指定しています)
■ 総務部長        1名
■ 食糧物資部長    1名
■ 生活環境部長    1名

避難所運営が本格化して運営委員への応募者が増加したら、下記のように機能を分化して行く事が適切と思われます。

初動期→  展開期  機能
総務部  総務部  運営委員会事務、災害対策本部との連絡・調整、
全体調整(生活規則変更、部屋割り変更等)
       管理部  避難者名簿の作成・管理・保管、安否問合せ対応
   情報広報部  情報収集、避難住民への統一広報
   施設部 兼 防犯担当  避難施設安全確保、防災資機材の確保・管理、
防犯対策・巡視
   ボランティア部   ボランティア受入れ・作業調整
食糧 物資部 食糧 物資部  
生活 環境部 生活環境部 医療活動補助、トイレの設営・管理運用、ごみ処理、
施設の掃除、生活用水の確保、

各種衛生管理、ペット管理
  要援護者支援部 災害時要援護者の把握と介護支援

◆ 検討課題

 

課題1「医療活動補助部門」を設置すべきか?

(1)想定
地震規模が大きい程、当然けが人は増大します。まず「近くの避難所に行って見よう!」と言うことになり、避難所にけが人が殺到します。医療救護所は、東京都等では拠点病院・連携病院等の入り口に設置され、中重症者のトリアージ(選別)が行われますが、一般の避難所には発災直後「医療救護所」は有りません。

(2)避難所での対応
避難所では、次の対応は必須と考えられます。
①ほぼ健康な避難者と傷病者は、区分けして部屋割りを行います。
②軽傷者と重傷者・中等傷者を区分して、重症者を医療機関に搬送する準備をします。

(3)避難者の反応
医療関係従事者以外の一般の避難者は、「応急手当ての仕方も分からないし、症状が悪化したりしたらどうして良いか分からないので、私にはできません!」と言うと思われます。

(4)結論
「現にけが人が居て、何もしない」と言う事は、実際上有り得ないので、出来る事は非常に限定されるとしても「医療活動補助部門」を設置することになると思われます。平時の簡単な緊急医療訓練が、必須と考えます。