初動要員

◆ 初動要員  (2017.11.17更新)

(応急)初動要員とは、発災直後に避難所開設のために出動する市区町村職員の事を言います。初動要員の設置・配備は、市区町村によって異なります。

初動要員の主たる任務は、避難所施設を開け、施設の安全点検を行い、備蓄品を搬出して避難所を作成(ブルーシート敷き、受付の設営、等)する事です。初動要員は、避難所責任者が到着次第(通常)その指揮下に入ります。そして災害対策本部から交代要員が到着次第、当初の初動要員の任務は終了となります。

ある自治体の場合、各避難所施設の近隣(徒歩5~10分程度)に居住する職員5名(部署は、総務課、企画課等バラバラ)が割当てられています。近隣の市では、初動要員は7名構成となっています。

◆ 初動要員の任務

初動要員の任務を、実施時間順に列挙すると次のようになります。

  • 避難所施設の開錠
  • 避難所施設の「避難所としての使用可否」判断
  • 避難所本部の設置
  • 立ち入り禁止区域の設定と表示
  • 水道・ガス・電気・トイレの使用可否確認
  • 災害対策本部へ「避難所開設」の報告
  • 備蓄倉庫の開錠
  • 通信手段の確保
  • 車両の進入路の設定・表示
  • 避難者の中から「避難所運営支援者」を選出・依頼
  • 受付の設置・開始
  • 初動期避難所運営組織の立ち上げ
  • 避難所収容数・内訳の把握と災害対策本部への報告
  • 食糧・飲料水・衣類等の生活用品の在庫把握と災害対策本部への追加手配
  • 外国人避難者への通訳手配(避難住民及び災害対策本部へ依頼)
  • 平時には、避難所運営組織の立ち上げ・役割分担の設定・訓練の指導

◆ 初動要員に関する課題 (2017.11.17更新)

初動要員に関する課題は、次の通りです。

[課題1] 学校施設が避難所と指定されている場合、担当避難所施設の開錠方法を、初動要員が知らされていない場合が有ります。また、支給されている鍵が変更されている場合が有り、発災時開錠出来ない場合が有り得ます。
[課題2] 初動要員の本来業務が防災と無関係な職員が多く、防災活動を通じた住民との面識が無い。
[課題3] 初動要員の運用マニュアルは、避難所運用マニュアルと連動していない場合が有ります。

各 課題について説明します。

[課題1]:
課題1が何故発生するかと言えば、学校は教育委員会の管轄下に有り、初動要員を管轄する防災担当部署は一般に総務部門等に有ります。即ち、指揮命令系統が別系統なため、各学校で鍵を変更しても初動要員にはそのことが連絡されません。また、初動要員も日頃学校との連携が無いため、変更情報(例:鍵の変更)を直接受け取るルートを持っていません。
事例として、鍵がカードキーに変更されたにも関わらず、初動要員はその事実を知らず、古い鍵で開錠しようとした事が有ります。
せめて1年に1回位、初動要員全員が「初動要員としての任務確認訓練を、住民と共同で実施する」事を、実現して欲しいものです。

[課題2]:
初動要員は、本来業務以外に「防災担当業務を持っている」ことになりますが、本業が多忙なため初動要員と学校や自主防災組織との連携は、年に1回程度の防災訓練程度となるのが現状だと思われます。理想を言えば、初動要員の責任者や避難所責任者は、平時から担当避難所周辺住民(具体的には自治会長等)に声をかけ、避難所運営組織を立ち上げ、避難所開設訓練をすべきです。東京都も同じことを指針として出しています。

[課題3]:
初動要員は全員市区町村職員ですので、当然その運用マニュアルは、市区町村の防災担当部署で作成されます。それはどの避難所施設にも適用出来るよう、当然汎用的に作成されます。従って、実運用する場合、各避難所で独自に作成された避難所運営マニュアルとは、適合しない部分が出て来ます。これは、マニュアルの共同検討会の実施や共同運用訓練をして解消するしかないと思われます。

このような状況ですので、発災時本当に避難住民の積極的な協力を得られるのか疑問を感じる訳です。